先ほどの伊勢海老を使ったお料理です。

伊勢海老の頭と殻は具足煮とし、身の方は具足煮の煮汁を加減して吉野煮にしたものを盛り合わせました。
小蕪も伊勢海老の煮汁と共に煮て伊勢海老の味を含ませ、中に雲丹を射込んで蒸しあげ、共地餡掛けといたしました。
針柚子と山葵をあしらい、菊の花をちらし、青味には絹さやを添えてございます。
器は丸田明彦作の志野葉皿です。
(いつも、ついつい長文になってしまいますので、今回は短めの文章で・・・。笑♪)
伊勢海老の頭と殻は具足煮とし、身の方は具足煮の煮汁を加減して吉野煮にしたものを盛り合わせました。
小蕪も伊勢海老の煮汁と共に煮て伊勢海老の味を含ませ、中に雲丹を射込んで蒸しあげ、共地餡掛けといたしました。
針柚子と山葵をあしらい、菊の花をちらし、青味には絹さやを添えてございます。
器は丸田明彦作の志野葉皿です。
(いつも、ついつい長文になってしまいますので、今回は短めの文章で・・・。笑♪)
こうしてたくさん写すと、ちょっとグロテスクですね。
相次ぐ、ホテル等の誤表記問題の後、急激に相場が上がってしまいました。
今までロブスターを使っていたところが、慌てて一斉に本物の伊勢海老を使い出したのが原因だそうです。
うっかりと表記ミスしていたお店がそんなに多いんですかね…。
「丸仕立て」の「丸」というのは鼈(すっぽん)のことです。鼈はその甲羅が丸いことから「丸」と呼ばれています。
「月とすっぽん」という表現がありますが、これは同じ「丸」でも「美しい月」と「すっぽん」では似ても似つかぬものだと言う例えです。
江戸時代後期の随筆「嬉遊笑覧」に「すっぽんを丸と異名をつけて呼ぶ。漢名にも団魚と言ふと等し。月は丸きものなれど、丸と呼ぶすっぽんとはいたく異なるるなり。」という説明があるそうです。
話が少しそれましたが、「丸仕立て」とはつまり、鼈で仕立てた御汁ということです。
寒い時期ならではのお料理です。酒と生姜をきかせた丸の御吸物は身体の芯からホクホクと温まるような気がします。
写真のお料理は、その「丸」(鼈)を百合根と餅粉を合わせたもので「真ん丸」のお饅頭に包みました。モチモチとした食感を出しつつも、百合根本来の持ち味を損なわないように気を使います。
百合根の持つ甘味、そして鼈(すっぽん)が持つ独特の甘味、そこに酒の香りがさらにそれを豊かにし、生姜の香りとぴりっとした辛味が味を引き締め、葱がその風味をさらに増してくれます。
真っ白い百合根饅頭は、これから到来する冬を意識していただけるよう、雪をイメージしています。御汁には白葱を霰(あられ)に見立てた霰葱を散りばめました。
今回は目出度いお席ということで、青味には鶯菜(うぐいす菜)を。
当店で鼈(すっぽん)をお出しするのは久しぶりです。
たしか、ここ三年ほどは鼈(すっぽん)を使わなかったような気がします。
しばらく使っていなかったから・・・ということもありますが、最近テレビを見ていますと女性の間で鼈(すっぽん)の持つコラーゲンが美肌効果として大人気だということもあり、当店でもこの冬は久々の登場というわけです。
スッポン料理でさらに美しく!!
お月様のように綺麗に輝く美肌をゲットしていただけたら・・・と思います♪♪(笑)
昨夜は、褒章を受章されたお客様の祝賀会に当店をご利用下さいました。
とてもおめでたい宴席ですので、大好きな赤楽の小鯛蓋物などにお料理を盛り込み、おめでたい演出にしました。
どのお客様も様々な席をもうける際に、「うを友」で!と思って下さるのは本当に嬉しいことです。
そのお気持ちに応える為にも、微力ながらも精一杯努力し、お客様に「 次も 「うを友」 で!」と思っていただけるように頑張ります。
小鯛蓋物は楽焼きの名工「島 荷平」さんの作です。なんとも言えぬ上品な愛くるしさです。
以下のお話は前回のブログ「うを友の歴史」と、ちょっと関係する話なんですが、非常につまらん話ですのでご了承くださいませ。
(尚、話と写真は関係ありません。写真については後ほど・・・。)
当店は毎朝、京都の中央市場まで仕入れに行きます。
ちなみに、京都の中央市場は日本で一番最初に出来た中央市場です。皆様ご存知でしたか?ちょっと調べてみたんですが、1927年(昭和2年)に開設されたそうです。
話は戻りますが、市場では、仲買人の皆さんや、当店と同じように仕入れに来ている同業者の方たちと毎朝のようにたわいもない会話が飛び交います。もちろん、それはいろいろな情報交換の場でもありますが、ほとんどはどうでもいいような世間話や冗談です。♪
これからの話は、二代目の父が市場で同業の方たちと交わした会話の話です・・・
前回のブログでお話しましたように、当店の歴史は80年そこそこです。しかし、京都には200年、300年と続いているお店もたくさんございます。
ある日、市場で同業者何人かがある店先で顔を合わせ、たわいもない会話をしている間に、たまたまそんな話になったそうです。
「おたくの店は歴史が古いなぁ~何年ぐらいやったはるんや?」
「120年くらいなるんか?」
なんて感じで話が始まったらしいのです。
「へぇ~♪ それは長いなぁ♪ 」
「ほな♪ おたくで何代目なんや?」
・・・とか、言いながら、最初はなごやかにお互いの店のことを話していたらしいのです。
すると、そこにもう1人、横から急に話に入ってきた人がいて、その人も同業者なのですが・・・
「 なんや! 100年や150年ぐらいでは何もたいしたことあらへんがなぁ!うちなんかもう300年以上やで!!」
・・・と、その時のその人の話口調とあまりにも偉そうな態度に、まわりはいっきに嫌~な雰囲気になったそうです。
それまでは黙ってみんなの話を聞いて喜んでいた父も、これには腹が立ったらしく。
「 ワシに言わしたら300年もまだ新しいほうやでぇ~」と!
「ほな、おたくはいつからやったはるねん?!」
・・・と、その人の問いに、すかさず父は!
「うちは弥生時代からや♪♪」 「縄文懐石で有名なん知らんか???」
・・・と、答えたそうです
この、あまりのバカバカしさに、その人は何ともいえない表情で黙って立ち去っていったそうです。
「あ~ スーッとした♪」・・・と、父は満悦した表情でそのときの話をしていましたが、よくもまぁ、そんなバカらしいことがとっさに言えたものだと感心します。
「何で弥生時代やのに縄文懐石???」って思いますが、「縄文懐石」っていう響きは、なんか語呂が良くって気に入ってます。(笑)
ほんまにしょうもない話ですいませんでした。
・・・写真ですが、何もアップするようなものが無かったので、昔、料理展示会に出展したものをアップしました。
普通の写真をさらに携帯カメラで撮ったので画像が悪くて申し訳ございません。
染付けの大皿に盛ってあるのは、海老芋の雲錦饅頭、焼き海老芋鴨射込み、風呂吹き海老芋、の三種です。写真では分かりづらいですが、風呂吹き海老芋はウサギの形の香合のように剥き、中に柚子味噌を入れてあります。
今回は、いつもこのブログを書いている私の自己紹介をまじえながら、「うを友」の歴史についてご紹介させて頂きます。
「うを友の歴史」なんて大そうなタイトルをつけてしまいましたが、そんなに古い歴史があるわけではございません。
まずは、いつもこのブログを書いております私のことから順を追って話させていただきます。
私は当店の三代目になります。いや、二代目の父が現役で頑張ってくれておりますので、今のところ厳密に言えば私は「三代目候補」と言うことになります。
年齢は45歳。頭もかなり薄くなって、俗に言う「ハゲ」です!それをごまかすためにスキンヘッドにしています
二代目の父は72歳。頭の毛はありますが、最近もの忘れが多くなり、「頭の中身が薄くなってきた」と申してます。
そんな父の父。つまり、私の祖父が「うを友」の初代でございます。
今回は仕出し(出前)のお弁当の写真をアップしましたが、当店は平成7年にリニューアルするまでは仕出し料理の専門店(仕出し屋)として地元の皆様に可愛がっていただいてきました。
祖父は明治38年生まれです。今は祖父も祖母も他界しているために詳しい話を聞くことは出来ないのですが、祖父が「仕出し料理 うを友」を開業したのは、おそらく80年前くらいだと思います。
実は、当店「うを友」の前には、その前身となる「うを藤」というお店があったそうです。祖父は13歳の頃(1905年頃)にそのお店に丁稚奉公に入りました。その間には一緒に奉公していた先輩や同期の人が次々と独立しましたが、おとなしい性格の祖父は最後まで独立せずに先代の下で頑張っていたそうです。
しかし、そんな先代も年老い、跡取りのなかった先代は店を閉めることとなった訳ですが、その頃には祖父も結婚しており、今後の生活のこともあります。そうしたいきさつで、祖父は借金して先代からこの店とその権利を譲り受けることとなったそうです。
祖父の名前は「友次郎(ともじろう)」と申します。
先代から譲り受けた暖簾(のれん)「うを藤」に自分の名前の一字「友」を付けて、「仕出し料理 うを友」と名したそうです。
当時は借地、借家であった当店ですが、祖父はこつこつと頑張ってそれを買い、今のこの店の礎を築いてくれました。その間には戦争もあり、大変な苦労があったと思います。
父は年老いた祖父をいたわり、いつも攻めの姿勢で必死にこの店を大きくしてきました。決して器用でない父が、ただがむしゃらに働いてきた姿、そしてそれを必死で支えてきた母の姿は、子どもの頃からずっと見てきました。
それが当店の歴史です。
私は、祖父、祖母、そして父、母の愛情が詰まったこの店を一流店にしたいとか、大きくしたいとは思っていません。1人でも多くのお客様に可愛がって頂ける店。誰からも愛して頂ける愛情あふれる店にしたい。それが私の夢であり、目標です。
皆様、今後とも応援して下さいますよう宜しくお願い致します。
(書いているうちに気持ちが入ってしまい、ちょっと込み上げてきました 文章読んで気持ち悪かったらすいません
)
当店のブログを読んで下さっている皆様、いつもありがとうございます。
また、初めて当店のホームページにお越し下さった皆様もありがとうございます。ようこそお越し下さいました。どうか過去のブログも見て行ってください。
ブログを始めてから日に日に多くの方が当店のホームページにお越し下さるようになり、心から喜んでおります。中には、毎日のように見に来てくださる方もおられるようで、私にとってはこのブログを更新する上でも、また仕事の上でも、非常に心強く、張り合いを感じています。本当にありがとうございます。
そもそも私はアナログ人間でございまして、パソコン関係が大の苦手 このブログを始めるまではインターネットにも全く興味がなく、パソコンの前に座ることなどまったくと言うほどありませんでした。
ホームページの更新もずっと気になりながらもなかなかその手順が覚えられずにそのまま・・・
しかし、最近はちがいます (・・・苦手なのは変わりませんが
)
更新したブログを見て下さっている方がいると思うとテンションもあがるってものです。 ましてや「いいね!」なんかが付いた時は興奮ものです。
今後は、もっともっとこのホームページを充実させて、いつまでも皆様に見に来ていただけるようなものにしたいと思っています。
そして1人でも多くの皆様に見ていただき、より多くの方に当店のことを知っていただきたいと思っています。
「ブログは更新されているけど、他のページは手付かずのままなところもあるなぁ・・・」とお思いになられた方もたくさんいらっしゃると思います。
なかなかいっきには出来ませんが、そこらのページも徐々にリニューアルして行きますのでまたご覧になって下さいね。
来年の5月をめどに、何とか頑張って変えて行くつもりです。 (そのころには私もリニューアルされて少しは苦手を克服しているかも・・・
)
こういった前向きな気持ちになれたのも皆様のお陰です。本当に感謝します。
ブログも頑張って写真をアップして、もっともっと色々なお料理のお話をしたいと思っています。
必死に調理しながら、調理場を慌しく走り回っている普段の仕事の中で、写真撮影は私にとって困難極まりないことなのですが、それもそもそも、カメラを上手く使いこなせていないのが原因の一つ。
(カメラと言っても携帯のカメラしか無いのですが)
もっともっと、スムーズに使えるように頑張ります
(もしくは、もっと使いやすいのを購入します・・・)
ですから皆様、今後とも当店「京料理 うを友」を応援してやって下さい。
どうか、宜しくお願い致します。
毎年の事ながら、この時期になると一年の過ぎ行く早さに驚かされます。
当店でも本日からお節料理の予約受付を開始いたしました。
お客様が幸多い新年をお迎えになることを願いつつ、一品、一品に真心を込めて調理に取り組んでおります。
当店では、「大三段重」と「小三段重」の2種類をご用意いたしております。
4名からのご家族や、ご来客の多いご家庭。また、三ケ日をご自宅で過ごされることが多いご家庭には「大三段重」をお勧めしております。
また、2名から4名のご家庭や、お出かけになることが多く、三ケ日をご自宅で過ごされることが少ないご家庭には「小三段重」をお勧めしております。
詳しくはお電話にてお問い合わせ下さい。
当店では地方発送は行っておりませんので、墨染まで受け取りに来て頂けるお客様に限られてしまいますが、ご注文、ご予約、心よりお待ちしております。
尚、申し訳ございませんが限定数になり次第、予約受付は終了させていただきます。
・・・追記・・・
写真にあげさせていただきましたのは、お節料理の献立を考える際に私が描いたイメージ画です。自分のイメージを膨らませ、自分がわかり易いように描いたもので、プラモデルの設計図のようなものです。決して人様にお見せするようなものではないのですが、少しでもご参考にしていただければと思い、ここに紹介させていただきました。
今回は揚げ物を紹介させていただきます。
鮑(あわび)の香り揚げです。
鮑は夏が旬とされていますが、小ぶりながらも上質のものを入荷しましたので、柔らかく煮た後に香り揚げにいたしました。
日頃なら鮑のように高価なものは「生」で使うか、「柔らか煮」にするか・・・で、揚げ物に使うことは滅多に無いのですが、常からご贔屓いただいているお客様のリクエストでこのように調理しました。
「鮑」はやはり大昔から高価なものだったようですが、その美味しさだけではなく、縁起物としても重宝されてきました。古代中国では「不老長寿」や「延命 若返り」の薬的な食べ物と考えられていたそうです。
今年、20年に一度の式年遷宮が行われた伊勢神宮も「鮑」とは深い係わりがありますね。以前、テレビで「のし鮑」を献上する儀式の準備する様子を見たことがあります。ちょっと調べてみたのですが、6月と12月に行われる月次祭(つきなみさい)と10月の神嘗祭(かんなめさい)とありました。
「のし鮑」というのは鮑を薄く長く剥いて伸ばして乾燥させたものです。長期の保存がきく上に栄養価も高く、また「伸ばす」ということからも贈る相手の「長寿延命」を願うとされ、武家の間では出陣の際の贈り物として好まれたそうです。
そうそう、贈り物につける「のし紙」や、お祝いの「のし袋」の「のし(熨斗)」って、この「のし鮑(熨斗鮑)」だってことご存知ですか?「のし(熨斗)」って小さな色紙を折りたたんだものの中に黄色っぽいものが包んでありますよね。あれが「のし鮑(熨斗鮑)」なんです。時代と共に簡略化されて模造品や印刷になったのです。
またまたテレビで見たのですが、太古の昔は献上物や贈答品には海産物を添える慣わしがあり、その最高級なものが「鮑」だったという話もあるようです。
今回は「鮑」にちなんでのお話になりましたが、このように食材一つ取っても、器を取っても、日本料理には色々な逸話や歴史があり、私たち料理人はそれにちなんでお料理をお出しすることも多々あります。お料理の中に、見えない物語がひそんでいる訳です。
また、昔からの伝統料理には「能」の登場人物や物語から料理名がついているものも多く、日本の伝統文化すべてと密接な繋がりがあります。
これも日本料理ならではの興味深い点であり、お料理の楽しみ方の一つでしょう。
私もまだまだ勉強しなければならないことが山積みです!
でも、少しずつ楽しみながら頑張ります♪