日別アーカイブ: 2013年12月2日

柿の色。

今回は御水物(デザート)のご紹介です。

今風に言えば「スイーツ」ってことになるんでしょうか?cake.gif
ちょっと違うような気もしますが・・・(笑)。kao07.gifkira02.gif

写真では何が盛ってあるのか分かりづらいので、順を追って説明させていただきます。

一番上に見えてますのは、「柚子のソルベ」と 「ミント」です。bikkuri02.gif
手前左の白いのは「梨の蜜煮(コンポート)」です。今は「ラ・フランス」を使っていますが、この写真の時は「ほうすい」です。bikkuri01.gif
そして、その右は「葡萄」です。これもその時々で色んな品種を使っていますので、この写真の時は何を使ったのか覚えてません。(申し訳ありません。)bikkuri03.gifkao-a14.gif

次に一番奥のオレンジ色と白の品、これがこのデザートのメインのつもりなのですが、「柿の蜜煮(コンポート)」に「檸檬の淡雪寒(レモンムース)」を流し入れてあります。bikkuri04.gifbikkuri04.gifkira01.gif
目を凝らして写真をよ~く見ていただくと白い部分がかすかに見えますが、それがレモンムースの部分です。kao06.gifte03.gifkira01.gif

すべての果物にレモンの風味を付け、柚子ソルベと共に柑橘系の香りでまとめてみました。

柿は、コアントロー(cointreau)で香りを効かせ、レモンと共に炊いています。もちろん、柿の風味をそこなわない程度です。

口に入れた瞬間はレモンムースの味と香りが口に広がり、洋風な印象を受けますが、その後すぐに柿の風味が追いかけて来て、「和」のテイストをかもちだしてくれます。
これが柿の力です。kao-a17.gifheart05.gif
いうなれば、リキュールを使ったコンポート、全くの洋風に仕上がってもよさそうなものですが、古来から「柿の味」に慣れ親しんでいる私たち日本人には「柿」に「和」のテイストを感じるんでしょうね。不思議なものです。 kao23.gifkira02.gif

柿は日本原産の果物と言われています。
今は海外でも「KAKI」として世界中で愛されているそうです。

ちょっと調べてみたところ、柿の原産については いくつかの説があるそうです。enpitu02.gif

柿は日本原産で古来からあったという説や、日本古来からあった柿は氷河期に絶滅してしまい、その氷河期の後に中国から渡来したという説です。yuki.gif

とはいえ、縄文、弥生時代の遺跡からも種が出土し、時代が新しくなるにつれてその量も増えているそうですので、日本人はかなりの昔から柿が好きだったようです。kao-a02.gif

「柿は医者いらず」とか「柿が赤くなると医者が青くなる」なんて言葉があるくらいですから、健康食や薬としても重宝されてきたのでしょう。kira01.gif
また、柿渋は・・・・・・などと話を続けるときりが無いのでやめておきますが、それだけ私たちに馴染みの深い果物だということですね♪heart08.gif

その柿のデザートを柿色の器に盛りました♪kao-a02.gifte03.gif

写真では実際よりも赤みがかってしまい、実際の色合いが紹介できないのが残念ですが、「柿釉」という独特の釉薬をほどこされた器です。なんとも表現できない温かみのある素敵な色合いです。kira01.gif
嘉峰窯「伊藤嘉峰」の作です。kira02.gifkira02.gif