今回は御水物(デザート)のご紹介です。
今風に言えば「スイーツ」ってことになるんでしょうか?
ちょっと違うような気もしますが・・・(笑)。
写真では何が盛ってあるのか分かりづらいので、順を追って説明させていただきます。
一番上に見えてますのは、「柚子のソルベ」と 「ミント」です。
手前左の白いのは「梨の蜜煮(コンポート)」です。今は「ラ・フランス」を使っていますが、この写真の時は「ほうすい」です。
そして、その右は「葡萄」です。これもその時々で色んな品種を使っていますので、この写真の時は何を使ったのか覚えてません。(申し訳ありません。)
次に一番奥のオレンジ色と白の品、これがこのデザートのメインのつもりなのですが、「柿の蜜煮(コンポート)」に「檸檬の淡雪寒(レモンムース)」を流し入れてあります。
目を凝らして写真をよ~く見ていただくと白い部分がかすかに見えますが、それがレモンムースの部分です。
すべての果物にレモンの風味を付け、柚子ソルベと共に柑橘系の香りでまとめてみました。
柿は、コアントロー(cointreau)で香りを効かせ、レモンと共に炊いています。もちろん、柿の風味をそこなわない程度です。
口に入れた瞬間はレモンムースの味と香りが口に広がり、洋風な印象を受けますが、その後すぐに柿の風味が追いかけて来て、「和」のテイストをかもちだしてくれます。
これが柿の力です。
いうなれば、リキュールを使ったコンポート、全くの洋風に仕上がってもよさそうなものですが、古来から「柿の味」に慣れ親しんでいる私たち日本人には「柿」に「和」のテイストを感じるんでしょうね。不思議なものです。
柿は日本原産の果物と言われています。
今は海外でも「KAKI」として世界中で愛されているそうです。
ちょっと調べてみたところ、柿の原産については いくつかの説があるそうです。
柿は日本原産で古来からあったという説や、日本古来からあった柿は氷河期に絶滅してしまい、その氷河期の後に中国から渡来したという説です。
とはいえ、縄文、弥生時代の遺跡からも種が出土し、時代が新しくなるにつれてその量も増えているそうですので、日本人はかなりの昔から柿が好きだったようです。
「柿は医者いらず」とか「柿が赤くなると医者が青くなる」なんて言葉があるくらいですから、健康食や薬としても重宝されてきたのでしょう。
また、柿渋は・・・・・・などと話を続けるときりが無いのでやめておきますが、それだけ私たちに馴染みの深い果物だということですね♪
その柿のデザートを柿色の器に盛りました♪
写真では実際よりも赤みがかってしまい、実際の色合いが紹介できないのが残念ですが、「柿釉」という独特の釉薬をほどこされた器です。なんとも表現できない温かみのある素敵な色合いです。
嘉峰窯「伊藤嘉峰」の作です。