日別アーカイブ: 2014年11月21日

「鯛かぶら」です。

今回は「焚き合せ」。
「鯛かぶら」を紹介させていただきます。 kira01.gifkira01.gif

相変わらずの長文になりますが、暇つぶしがてらにでも読んでいただければ幸いです。kao-a20.gif

さて、今の時期、京都を代表する蕪(かぶら)のお料理と言えば「鯛かぶら」。kao16.gifte03.gifbikkuri03.gif

その相性の良さは「出会い物」と言われ、皆様ご存知のように「鯛かぶら」は、その「出会い物」の中でも代表格とも言える組み合わせです。

ですが、通常の「鯛かぶら」は懐石料理の一品と言うよりは「おばんざい」に近いもの、勿論、熱々を土鍋などで出して頂く割烹店などの「鯛かぶら」は格別で、体の芯から温まる最高の一品でありますが、骨などのアラをせせって食べていただかなくてはならないようなお料理は懐石料理にはあまりふさわしくないように思います。

そこで、私ども料理人は一手間、二手間かけることによって新たな形態に変化させ、その場にふさわしいお料理に仕立てていくこともやりがいのある仕事の一つです。heart06.gif

今回は「小蕪(こかぶら)」を使い、写真のように仕立てました。

小蕪は、鯛の骨(アラ)の旨味をたっぷり抽出したお出汁で優しく炊き上げ。hana-ani01.gifhone.gifhana-ani01.gif
さらに、蕪の旨味も合わさったその煮汁で鯛の身を炊き、最後に双方を合わせ、その旨味をなじませる…という手法を執っております。

今回は鯛の身で京水菜を包み込み、さらには舌の上でチュルンと滑る舌触りを楽しんでいただきたく、吉野葛をまぶした吉野煮に仕立てました。これは舌触りだけでなく、鯛の身から煮汁の中に旨味や脂分が流出するのを防ぐ意味合いもございます。up.gif

また、小蕪はそのままでも良かったのですが、今回は遊び心から、中を少しくり抜いて「ばらの助子 」を玉締めにして射込みました。
「助子」は助惣鱈の真子ですが、昔から鯛の子の代用としてよく用いられ、味も比較的良く似ています。
今回はお客様にご賞味いただく際に、少しの驚きで楽しんでいただければ…と思い、 趣向をこらしてみました。kao-a03.gifkira01.gif

見た目がシンプルなお料理ですが、至るところに注意を払う手の込んだ一品です。

繰り返しのようになりますが、特に気を使うのが煮汁。
蕪のような繊細な持ち味を活かすにはやはり煮汁の美味さが大切です。te03.gifkira02.gif

鯛と蕪の美味さが混ざり合ったその煮汁の美味さもお楽しみいただけるように薄味で仕上げ、熱々の共地餡をたっぷり注ぎ、柚子の香りと山葵を添えて御座います。

少しでも熱い内にホクホクとお召し上がりいただきたいと、盛りつけるのも必死です♪(笑)

これからの寒い時期、温かいお料理は心まで温めてくれるような気がしますね♪ kao-a02.gifhaibisukasu01.gif

 

器は特徴のある蓋物ですが、15年ほど前に窯元に出向き、特別に作って頂いたものです。

その温かみと上品さがこのお料理と良くあっていると思います。

今回は「うを友」ならではの「鯛かぶら」を紹介させていただきました。kya-.gif

長文を最後まで読んで下さり本当にありがとうございました。heart09.gif

 

「小蕪(こかぶら)」です。

「小蕪」です。
季節の食材ということで写真に収めました。kira01.gif

真っ白でコロコロしていて可愛らしいです。 kao-a02.gifheart06.gif