12月の御水物(デザート)です。
真っ白な雪をイメージしたムースの中から林檎が顔を覗かせています。
これから長い冬が訪れますが、寒くて辛い冬のイメージではなく、例えば暖炉の火に当たりながら暖かい部屋の中から深く積もった雪景色を楽しんでいるような暖かな印象を持っていただけたら…という気持ちでこしらえました。
長い冬の間、草花も動物たちも、降り積もった雪に姿をかき消されてしまいますが、やがて訪れる春を心待ちに、静かに胸を高鳴らせていることでしょう。
真っ白なムースに埋もれた果物は、そんな春の到来を心待ちにする気持ちを表現したつもりです。
さて、このデザートですが、寒くて冷たい「雪景色」ではなく、どこか暖かさを感じて頂きたいという思いで『 雪果 』と名づけました。
冷たいムースですが、暖か味を感じて頂けるようなお味になっております。
全くのオリジナルレシピですので、一言で「○○○のムースです。」とは表現できないのですが、『クリームチーズ』と『ヨーグルト』をベースにして構成しました。
味を言葉で説明するとしたら、そのどちらの味が勝つことなく、まったりとした 『クリームチーズ』の味がどこか暖か味を感じさせ、濃厚な洋風の味に成り過ぎないように、さっぱりとした『ヨーグルト』が濃厚さを抑え込んでいるという感じでしょうか。
林檎はブランデーの香りを効かせて薄蜜煮(コンポート)にしてあります。
色のアクセントにブルーベリーを乗せ、彩りにイチゴのソースを掛けました。
後、面白いところとしては、ムースの隠し味的なものでしょうか。
林檎との相性、味の繋ぎとしてムースにはシナモン少々シナモンを入れてあるのですが、それとは別にもう一つ…
粗引きの黒胡椒をしのばせています。
先ほど「暖か味のある味」と申しましたが、それは悪くいうと「ぼやけた締まりのない味」とも感じられるように思います。
それをキリッと引き締め、大人な味に引き立てくれるのが、この黒胡椒です。
(つたない文章で精一杯の説明をしておりますが、少しくらいはイメージしていただけてるでしょうか… 笑)
さて、当店の「御水物」は、女性のお客様にも喜んでいただけるように「デザート」と呼ぶほうがふさわしいような物です。洋菓子の技法もふんだんに使いますが、その味は極力あっさりと和食の後にも合うような物を目指して試行錯誤の中、努力しております。
当店をご利用下さるお客様はやはり男性のお客様がその大半ですが、是非、女性同士の会合などにもご利用いただきたいと願っております。
(今風に言えば『女子会』ですね♪笑)
本当はクリスマスにカップルの食事にもご利用いただきたいと常々思っているのですが、当店は12月は25日から お節料理の準備に入りますので、お座敷での営業はクリスマスイブの12月24日までになります。
クリスマスに限らず、奥様や彼女のお誕生日を祝うお食事としても是非『 うを友 』をご利用下さいますよう御願い致します。
…おっと!
随分話がそれてしまいましたが、再びデザートの話に戻ります!
今回のお料理は、その技法も材料も「洋」の印象が特に強い物です。
少しでも『和』の印象に近づけるため、最後に『柚子の皮』を薄蜜で煮て、その煮汁と共に薄いゼリーにして上から掛け、天にあしらえました。
柚子の香りと共にお召し上がり下さい…。
今回はデザート『 雪果 』のご紹介でした。
つたない長文を最後まで読んで下さってありがとうございます。