土瓶蒸し

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土瓶蒸しです。

写真がなかなか上手く取れなくて残念です。松茸には色々な食し方がありますが、やはりその代表と言えば土瓶蒸し、私も非常に好きな料理の一つです。

そもそも、なぜ土瓶を使うのか?詳しくは知らないのですが、農夫が山里で採った物を調理して食そうとした際に鍋が無いことに気付き、土瓶を代用したことが始まりだと聞いたことがあります。そう言えば、「すき焼き」の鋤(すき)も農具が由来となっていますね。まあ、いづれも諸説があるようですが、前回ご紹介しました前菜の器も「箕(み)」をかたどってあります。このように秋の器は山里を思い浮かべるようなものが沢山ありますね。

さて、料理の世界には「出会い物」と言う言葉がありますが、土瓶蒸しの鱧(はも)と松茸はまさに「出会い物」、お互いがお互いの旨味を相乗効果で引き出してくれます。鱧の上品な脂と旨味が松茸の香りと共に絶妙なハーモニーを奏でてくれます。

しかし、土瓶蒸しの魅力はそれだけではありません。土瓶蒸しの醍醐味はなんと言ってもその出汁です。鱧も松茸も生の状態で土瓶の中に入れて出汁の中で蒸し煮込みのような調理となるため、すべての旨味が出汁の中に溢れます。とても上品で繊細かつ濃厚なスープです。昆布、鰹節、鱧、松茸、すべての旨味や香りがとけ合います。今、その風味を思い出しつつもこうして文章を書いていると、改めて日本の食文化に敬慕の念を抱きます。

 

いきなり話はそれますが、私ども夫婦の結婚披露宴の際、料理界の先輩から主賓の挨拶で結婚をこの「出会い物」に例えての祝辞を頂戴したことを思い出します。

(さて、そのような夫婦に成れているでしょうか・・・?kao07.gif

 

いつまでも、土瓶蒸しのような温かい家庭でありたいと思います。

 

 

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