つまらん話ですが・・・

以下のお話は前回のブログ「うを友の歴史」と、ちょっと関係する話なんですが、非常につまらん話ですのでご了承くださいませ。kao-a20.gif

(尚、話と写真は関係ありません。写真については後ほど・・・。)

当店は毎朝、京都の中央市場まで仕入れに行きます。

ちなみに、京都の中央市場は日本で一番最初に出来た中央市場です。皆様ご存知でしたか?ちょっと調べてみたんですが、1927年(昭和2年)に開設されたそうです。

話は戻りますが、市場では、仲買人の皆さんや、当店と同じように仕入れに来ている同業者の方たちと毎朝のようにたわいもない会話が飛び交います。もちろん、それはいろいろな情報交換の場でもありますが、ほとんどはどうでもいいような世間話や冗談です。kao07.gif

これからの話は、二代目の父が市場で同業の方たちと交わした会話の話です・・・

前回のブログでお話しましたように、当店の歴史は80年そこそこです。しかし、京都には200年、300年と続いているお店もたくさんございます。

ある日、市場で同業者何人かがある店先で顔を合わせ、たわいもない会話をしている間に、たまたまそんな話になったそうです。

「おたくの店は歴史が古いなぁ~何年ぐらいやったはるんや?」

「120年くらいなるんか?」

なんて感じで話が始まったらしいのです。

「へぇ~♪  それは長いなぁ♪ 」 

「ほな♪ おたくで何代目なんや?」 

・・・とか、言いながら、最初はなごやかにお互いの店のことを話していたらしいのです。

すると、そこにもう1人、横から急に話に入ってきた人がいて、その人も同業者なのですが・・・

「 なんや! 100年や150年ぐらいでは何もたいしたことあらへんがなぁ!うちなんかもう300年以上やで!!」

・・・と、その時のその人の話口調とあまりにも偉そうな態度に、まわりはいっきに嫌~な雰囲気になったそうです。kao19.giff01.gif

それまでは黙ってみんなの話を聞いて喜んでいた父も、これには腹が立ったらしく。okoru.gif

「 ワシに言わしたら300年もまだ新しいほうやでぇ~」と!

「ほな、おたくはいつからやったはるねんokoru.gif?!」

・・・と、その人の問いに、すかさず父は!

「うちは弥生時代からや♪♪」 「縄文懐石で有名なん知らんか???heart02.gif

・・・と、答えたそうですkao15.giff02.giff02.gif

この、あまりのバカバカしさに、その人は何ともいえない表情で黙って立ち去っていったそうです。

 

「あ~ スーッとした♪」・・・と、父は満悦した表情でそのときの話をしていましたが、よくもまぁ、そんなバカらしいことがとっさに言えたものだと感心します。kao-a20.gif

「何で弥生時代やのに縄文懐石???」って思いますが、「縄文懐石」っていう響きは、なんか語呂が良くって気に入ってます。kao07.gifkira01.gif(笑)

 

ほんまにしょうもない話ですいませんでした。

 

・・・写真ですが、何もアップするようなものが無かったので、昔、料理展示会に出展したものをアップしました。

普通の写真をさらに携帯カメラで撮ったので画像が悪くて申し訳ございません。

染付けの大皿に盛ってあるのは、海老芋の雲錦饅頭焼き海老芋鴨射込み風呂吹き海老芋、の三種です。写真では分かりづらいですが、風呂吹き海老芋はウサギの形の香合のように剥き、中に柚子味噌を入れてあります。

 

 

 

「うを友」の歴史。

今回は、いつもこのブログを書いている私の自己紹介をまじえながら、「うを友」の歴史についてご紹介させて頂きます。

「うを友の歴史」なんて大そうなタイトルをつけてしまいましたが、そんなに古い歴史があるわけではございません。kao-a10.gif

まずは、いつもこのブログを書いております私のことから順を追って話させていただきます。

私は当店の三代目になります。いや、二代目の父が現役で頑張ってくれておりますので、今のところ厳密に言えば私は「三代目候補」と言うことになります。kao07.gifte03.gif

年齢は45歳。頭もかなり薄くなって、俗に言う「ハゲ」です!それをごまかすためにスキンヘッドにしていますkao15.gif

二代目の父は72歳。頭の毛はありますが、最近もの忘れが多くなり、「頭の中身が薄くなってきた」と申してます。kao29.gif

そんな父の父。つまり、私の祖父が「うを友」の初代でございます。

今回は仕出し(出前)のお弁当の写真をアップしましたが、当店は平成7年にリニューアルするまでは仕出し料理の専門店(仕出し屋)として地元の皆様に可愛がっていただいてきました。

祖父は明治38年生まれです。今は祖父も祖母も他界しているために詳しい話を聞くことは出来ないのですが、祖父が「仕出し料理 うを友」を開業したのは、おそらく80年前くらいだと思います。

実は、当店「うを友」の前には、その前身となる「うを藤」というお店があったそうです。祖父は13歳の頃(1905年頃)にそのお店に丁稚奉公に入りました。その間には一緒に奉公していた先輩や同期の人が次々と独立しましたが、おとなしい性格の祖父は最後まで独立せずに先代の下で頑張っていたそうです。

しかし、そんな先代も年老い、跡取りのなかった先代は店を閉めることとなった訳ですが、その頃には祖父も結婚しており、今後の生活のこともあります。そうしたいきさつで、祖父は借金して先代からこの店とその権利を譲り受けることとなったそうです。

祖父の名前は「友次郎(ともじろう)」と申します。

先代から譲り受けた暖簾(のれん)「うを藤」に自分の名前の一字「友」を付けて、「仕出し料理 うを友」と名したそうです。

当時は借地、借家であった当店ですが、祖父はこつこつと頑張ってそれを買い、今のこの店の礎を築いてくれました。その間には戦争もあり、大変な苦労があったと思います。

父は年老いた祖父をいたわり、いつも攻めの姿勢で必死にこの店を大きくしてきました。決して器用でない父が、ただがむしゃらに働いてきた姿、そしてそれを必死で支えてきた母の姿は、子どもの頃からずっと見てきました。

それが当店の歴史です。

 

私は、祖父、祖母、そして父、母の愛情が詰まったこの店を一流店にしたいとか、大きくしたいとは思っていません。1人でも多くのお客様に可愛がって頂ける店。誰からも愛して頂ける愛情あふれる店にしたい。それが私の夢であり、目標です。

皆様、今後とも応援して下さいますよう宜しくお願い致します。

 

(書いているうちに気持ちが入ってしまい、ちょっと込み上げてきましたkao21.gif  文章読んで気持ち悪かったらすいませんkao05.gifdown.gif

 

 

ちょっと一言♪♪

ブログを見て下さった皆様へ。

当店のブログを読んで下さっている皆様、いつもありがとうございます。

また、初めて当店のホームページにお越し下さった皆様もありがとうございます。ようこそお越し下さいました。どうか過去のブログも見て行ってください。

ブログを始めてから日に日に多くの方が当店のホームページにお越し下さるようになり、心から喜んでおります。中には、毎日のように見に来てくださる方もおられるようで、私にとってはこのブログを更新する上でも、また仕事の上でも、非常に心強く、張り合いを感じています。本当にありがとうございます。

そもそも私はアナログ人間でございまして、パソコン関係が大の苦手 kao12.gif このブログを始めるまではインターネットにも全く興味がなく、パソコンの前に座ることなどまったくと言うほどありませんでした。

ホームページの更新もずっと気になりながらもなかなかその手順が覚えられずにそのまま・・・kao21.gif

しかし、最近はちがいますup.gifkao07.gif   (・・・苦手なのは変わりませんがkao29.gif

更新したブログを見て下さっている方がいると思うとテンションもあがるってものです。kira01.gifkira01.gif ましてや「いいね!」なんかが付いた時は興奮ものです。kira01.gifkao-a08.gifkira01.gif 今後は、もっともっとこのホームページを充実させて、いつまでも皆様に見に来ていただけるようなものにしたいと思っています。kira01.gif そして1人でも多くの皆様に見ていただき、より多くの方に当店のことを知っていただきたいと思っています。kira01.gifkira01.gif

「ブログは更新されているけど、他のページは手付かずのままなところもあるなぁ・・・」とお思いになられた方もたくさんいらっしゃると思います。

なかなかいっきには出来ませんが、そこらのページも徐々にリニューアルして行きますのでまたご覧になって下さいね。

来年の5月をめどに、何とか頑張って変えて行くつもりです。kao06.gifbikkuri03.gif  (そのころには私もリニューアルされて少しは苦手を克服しているかも・・・kao07.gifte03.gifup.gif

こういった前向きな気持ちになれたのも皆様のお陰です。本当に感謝します。hana-ani01.gif

 

ブログも頑張って写真をアップして、もっともっと色々なお料理のお話をしたいと思っています。

必死に調理しながら、調理場を慌しく走り回っている普段の仕事の中で、写真撮影は私にとって困難極まりないことなのですが、それもそもそも、カメラを上手く使いこなせていないのが原因の一つ。kao28.gif 

(カメラと言っても携帯のカメラしか無いのですがkao-a14.gif

 もっともっと、スムーズに使えるように頑張りますbikkuri03.gifbikkuri03.gif 

(もしくは、もっと使いやすいのを購入しますkao-a06.gif・・・)

 

ですから皆様、今後とも当店「京料理 うを友」を応援してやって下さい。

 

どうか、宜しくお願い致します。kao-a02.gifheart08.gif

 

 

お節料理の予約受付始めました。

 本日より、お節料理の予約受付開始しました。

毎年の事ながら、この時期になると一年の過ぎ行く早さに驚かされます。

当店でも本日からお節料理の予約受付を開始いたしました。

お客様が幸多い新年をお迎えになることを願いつつ、一品、一品に真心を込めて調理に取り組んでおります。

当店では、「大三段重」と「小三段重」の2種類をご用意いたしております。

4名からのご家族や、ご来客の多いご家庭。また、三ケ日をご自宅で過ごされることが多いご家庭には「大三段重」をお勧めしております。

また、2名から4名のご家庭や、お出かけになることが多く、三ケ日をご自宅で過ごされることが少ないご家庭には「小三段重」をお勧めしております。

詳しくはお電話にてお問い合わせ下さい。

当店では地方発送は行っておりませんので、墨染まで受け取りに来て頂けるお客様に限られてしまいますが、ご注文、ご予約、心よりお待ちしております。

尚、申し訳ございませんが限定数になり次第、予約受付は終了させていただきます。

 

 

・・・追記・・・

写真にあげさせていただきましたのは、お節料理の献立を考える際に私が描いたイメージ画です。自分のイメージを膨らませ、自分がわかり易いように描いたもので、プラモデルの設計図のようなものです。決して人様にお見せするようなものではないのですが、少しでもご参考にしていただければと思い、ここに紹介させていただきました。

(実は、お節料理の写真もあるにはあるのですが、どれも画像が悪すぎて・・・kao13.gif泣。)

(今年こそは上手く撮れるようにガンバリますup.gif

 

 

揚げ物。

今回は揚げ物を紹介させていただきます。

鮑(あわび)の香り揚げです。

鮑は夏が旬とされていますが、小ぶりながらも上質のものを入荷しましたので、柔らかく煮た後に香り揚げにいたしました。

日頃なら鮑のように高価なものは「生」で使うか、「柔らか煮」にするか・・・で、揚げ物に使うことは滅多に無いのですが、常からご贔屓いただいているお客様のリクエストでこのように調理しました。

「鮑」はやはり大昔から高価なものだったようですが、その美味しさだけではなく、縁起物としても重宝されてきました。古代中国では「不老長寿」や「延命 若返り」の薬的な食べ物と考えられていたそうです。

今年、20年に一度の式年遷宮が行われた伊勢神宮も「鮑」とは深い係わりがありますね。以前、テレビで「のし鮑」を献上する儀式の準備する様子を見たことがあります。ちょっと調べてみたのですが、6月と12月に行われる月次祭(つきなみさい)と10月の神嘗祭(かんなめさい)とありました。

「のし鮑」というのは鮑を薄く長く剥いて伸ばして乾燥させたものです。長期の保存がきく上に栄養価も高く、また「伸ばす」ということからも贈る相手の「長寿延命」を願うとされ、武家の間では出陣の際の贈り物として好まれたそうです。

そうそう、贈り物につける「のし紙」や、お祝いの「のし袋」「のし(熨斗)」って、この「のし鮑(熨斗鮑)」だってことご存知ですか?「のし(熨斗)」って小さな色紙を折りたたんだものの中に黄色っぽいものが包んでありますよね。あれが「のし鮑(熨斗鮑)」なんです。時代と共に簡略化されて模造品や印刷になったのです。

またまたテレビで見たのですが、太古の昔は献上物や贈答品には海産物を添える慣わしがあり、その最高級なものが「鮑」だったという話もあるようです。

今回は「鮑」にちなんでのお話になりましたが、このように食材一つ取っても、器を取っても、日本料理には色々な逸話や歴史があり、私たち料理人はそれにちなんでお料理をお出しすることも多々あります。お料理の中に、見えない物語がひそんでいる訳です。

また、昔からの伝統料理には「能」の登場人物や物語から料理名がついているものも多く、日本の伝統文化すべてと密接な繋がりがあります。

これも日本料理ならではの興味深い点であり、お料理の楽しみ方の一つでしょう。

私もまだまだ勉強しなければならないことが山積みです!kao17.gif

でも、少しずつ楽しみながら頑張ります♪kao-a01.gifte01.gif

 

(今回は随分真面目な文章になりましたkao07.gif

 

柚子味噌。

写真のお料理は「鱈(タラ)の白子の柚子釜焼き」です。

他府県ではどうなのか知らないのですが、京都では鱈の白子のことをその色と形が雲のようなことから「雲子(くもこ)」と呼びます。全国的にそうですか?

このお料理はくり抜いた柚子の中に銀杏、百合根、しめじを裂いたものと共に、新鮮な雲子(白子)をたっぷりと盛り込み、そこに当店自慢の柚子味噌を覆い被せるように流し入れてオーブンで香ばしく焼き上げた一品です。雲子(白子)の濃厚な旨味と共に柚子の香りをふんだんに楽しんでいただこうという趣向です。

味噌の上に乗っているのは「松の実」です。松の実は和菓子などにも良く使われます。「松風(まつかぜ)」などが有名ですね。

話は戻りますが、このお料理は、柚子の釜と味噌が雲子(白子)を閉じ込めて蒸し焼きの状態で調理されるため、その旨味と風味を逃しません。食べやすいようにスプーンも添えていますが、箸を入れると中には雲子(白子)から出た美味汁が溢れ、香ばしく焼けた味噌と共に絶妙に絡み合います。熱々を一口、ホクホクと頬張ると、柚子の香りが口の中にいっきに広がり、ほのかに鼻から抜けていきます。「あぁ~heart02.gif日本に生まれて良かった・・・kao-a06.gif」と思えるお料理の一つだと思います。

この季節ならではの「秋」を満喫できる一品です。

そんなお料理の決め手になっているのはこの「柚子味噌」

京都の白味噌(西京味噌)に、「これでもかっ!!」と言うくらいのたっぷりの卵黄を混ぜ込み、またまた「これでもかっ!!」と言うくらいのたっぷりのお酒を注ぎ込んでじっくりと二枚鍋で練りこんでいきます。(勿論、もとになる味噌選びはとても重要です。過去に色んな西京味噌を用いて試しましたが、味噌の良し悪しで全く変わってしまいます。)

途中何度か調味しながら気長にじっくりと時間をかけて練りこみます。焦ってはダメです。

味噌に艶が出て、濃厚な旨味が熟成されるまで、色んな旨味が一つにまとまって、味に深みが充分出るまで練り続けます。

こうして出来上がったのが「玉味噌」

その玉味噌に柚子の皮の摩り下ろしたものをふんだんに混ぜ込み、「当店自慢の柚子味噌」となるわけです。

西京味噌で最強味噌の出来上がり!!ってわけですkao07.gif

是非、一度ご賞味下さい。

 

・・・・・あいも変わらず「手前味噌」なお話で失礼しました!kao09.giff01.giff01.gif

 

 

 

 

煮凝り。

前回は「焚き合わせ」を紹介させていただきましたので、同じく「焚き合わせ」繋がりで、今回はこのお料理の写真をアップしました。

秋茄子と穴子、車海老の煮凝り(にこごり)です。中身は煮穴子、車海老、焼き茄子、小芋、紅葉を模った冬瓜、オクラです。冬瓜と小口に切ったオクラは、まだ色付かない紅葉の葉に見立てつつも、お料理全体ではこれから深まっていく「秋の実り」をイメージしました。

胡麻の羽二重を鞍掛けにし、イクラ針セロリを天盛りにしています。

この「煮凝り(にこごり)」は冷たいお料理ですから、たいがいは「夏のお料理」です。しかし、今年は夏のような気候が長く続き、ついこの前まで、暦の上では「秋」なのに「行き交う人たちはみな夏服」という状態でしたので、そのような日にはあえてこのようなお料理をお出ししました。

器はガラスの蓋物ですが、葡萄が描かれています。

夏への名残りと、深まっていく秋との端境期。そんなお料理です。

 

 

「煮凝り」について・・・

煮凝りとは本来、魚などの煮汁を冷やして固まらせた食べ物です。ですが、私は上で紹介したようなお料理の場合、魚の煮汁をさらに出汁でのばし程よい味に調味した後にゼラチンで補います。ですから「ゼリー寄せ」と呼ぶほうが適切なのかもしれませんが、「煮凝り」という言葉が指す意味を「魚などの持つゼラチン質によって煮汁などの液体を凝固させた食べ物」と考えれば、スイーツのゼリーだって「煮凝り」と呼んでもおかしくないと思います。

屁理屈のように聞こえるかも知れませんが、時代と共にカタカナで表記するような言葉が増え、そのカタカナの単語を一般的に使うようになる前にどんな日本語で表現していたかと、ふと考えると分からない(出てこない)時が多々あります。言葉が時代と共に変化するのは当然のことなのでそれに関して意を唱えるつもりはないのですが、料理名はやはり「ゼリー」ではなく「煮凝り」っていう本来の日本語にこだわりたいと思っています。kao06.gif

 

「出汁」はお母さん・・・

日本料理は出汁が決めて!なんて言葉をコマーシャルなどで聞いたことがありますが、まさにその通りだと思います。「お吸い物」なんかは勿論ですが、煮炊き物もどれだけ最高の素材を使っても「出汁」が不味いと台無しです。素材が子どもだとすると出汁はお母さんです。子ども(素材)を優しく包み込み、その良いところを最大限に伸ばす。美味しい「出汁」にはそんな力があり、また逆にそんな「出汁」が本当に美味しい「出汁」だと思います。

先ほどの「煮凝り」のお料理も中の具材を出汁が優しく包み込み、それぞれの持ち味を引き出しつつもお互いがぶつかり合うことなく口の中で様々な表情を見せてくれます。色々な子どもたちの個性をお母さんが優しく包み込み、みんな笑顔で口の中で幸せそうな表情を浮かべるのです。

「 自画自賛もたいがいにしろ!! 」とお叱りを受けるかも知れませんが、自分で作っておきながらその美味しさに感動しました。kao13.gifkira01.gif

決め手は「出汁」(お母さん)と作り手の私(お父さん)の絶妙な味付けってところでしょうか?kao07.gifheart02.gif

「 ええかげんにせえっ!!」と叱られる前に、今日はこの辺で失礼いたします・・・

 

 

 

 

 

京かぶら。

焚き合わせ 京蕪の煮物です。

蕪(かぶら)という素材もこの時期の定番ですが、絹のようにきめ細やかなその上品な口ざわりと、ほのかな甘味、それに特有の香りが特徴です。(色白で上品な素材ですから、私は「かぶら美人」と呼んでいますが、)それを損なわないような調理に細心の注意を払います。ただ、その点に気をつけて大切に調理してあげれば様々な形に変化して色々な料理で楽しむことができる大変魅力的なお野菜です。

蕪蒸しがその代表ですが、お漬物も美味しいですね。

(わが家の夕食ではサラダとしても活躍してくれています。)

このように幅広い料理で活躍してくれる食材は料理人にとっては心強い助っ人です。「今度は蕪ちゃんにどのように活躍してもらおうか・・・」と思いながら献立を考えるとわくわくします。

話は変わりますが、信州で有名な野沢菜(のざわな)は、もとをただせば京都の蕪(かぶら)だそうです。たしか江戸時代だったと思うのですが、京都の蕪を信州の方でも栽培したいと苗を取り寄せて試みたところ、気候などの違いから蕪(カブ)の部分は育たず、茎と葉がよく育ち、それが今の野沢菜の元になったそうです。

お野菜ひとつとっても様々なルーツがあり、調べてみると面白いでしょうね。興味のある方は是非調べてみて下さい。

 

さて、写真のお料理は、菊を見立てた蕪の中に蟹(かに)の身を射込み、蕪を炊いた煮汁を吉野餡にして山葵を添えています。

出汁の香りと旨味の中に、蕪の香りと旨味が混ざり合い、お口の中に広がります。

手前は鱧(はも)で松茸(まつたけ)を巻いて炊いたものです。

・・・菊の香りと共にお楽しみ下さい。

お魚の紹介。

前回、魳(かます)で松茸を包んで柚庵焼きにしたお料理を紹介いたしましたが、この魚が魳(かます)です。

最近、スーパーなどで魚は切り身の状態でパックに入れて店頭に並んでいることが多いため、魚そのものの姿をご存知ない方が以外と多いので、一応アップしました♪

( でも、この魚は切り身にせずに開いて売ってますから皆さんご存知ですね・・・kao29.gif )

昔は何処の家庭の食卓にも並んだ大衆魚ですが、最近は値も上がってすっかり高級魚の仲間入りです。

脂が乗ってお腹はまんまるの円筒形ですheart02.gifかっちりと肥えていて美味そうですheart02.gif

 

 

お気に入り。

 

今日はお造りと焼き物を紹介させて頂きます。

まずはお造り。

鯛、鮪、烏賊、生雲丹、車海老の五種を可愛らしく吹き寄せ盛りに・・・。

器は仁清の写しです。

 

これは焼き物です。

脂の乗った魳(かます)を柚庵焼きにしたものですが、松茸を包み込んで焼いています。写真で見ると松茸がわかり辛いのが残念です。(写真を撮るのって本当に難しいですねkao19.gif

器は乾山の写しです。

 

さて、今日は献立の流れに関係なくこの二品を紹介させて頂きましたが、何故かと言うと、器がお気に入りの器だからです。

皆様ご存知のように、仁清(野々村 仁清)乾山(尾形 乾山)共に京焼を代表する江戸時代の陶芸作家ですが、そのデザインは全く風化しないというか・・・常に時代の最先端を行ってるというか・・・言葉で上手く言えませんが、やはりスゴイ!の一言です。世代に関係なく、今の若い子達が見ても誰もが「可愛いkao-a02.gifheart02.gif」と言います。可愛いと言う表現が適切かどうかは問題ではありません。誰が見ても魅力的だということでしょう。やはりスゴイ!

また、乾山が本格的に陶芸を学んだのが仁清からであり、乾山の兄が「尾形 光琳」、何という凄い繋がりでしょうか!乾山の器に光琳が絵付けをしたり・・・と、今の言い方だと兄弟のコラボ作も有名ですが、本当に才能に溢れた凄い兄弟ですね!!

今、世界では日本の「かわいい」がブームですが、「尾形 光琳」は「日本的かわいらしさの美学を強く打ち出した作家である」と言われています。日本の歴史ある文化、感性はひょっとしたら日本人のDNAに受け継がれ、今の若者のサブカルチャーにも何らかの影響を与えているのかも知れませんね。(考えすぎでしょうか?・・・kao-a20.gif

さて、仁清写しの器は写真の紅葉絵の器しか持っていませんが、大好きな器なのでこの時期には必ず使います。紅葉の赤がとても鮮やかでその構図も大胆ではありますがとても上品で華やかで大好きです。当店には眺められるような庭もございませんし、墨染の町には季節を感じられるような景色もございませんが、せめてこの器で秋を感じていただけたら・・・と言う思いです。私はこの器を眺めているだけで心が秋の山々にトリップしてしまいます。

乾山は特に好きなので写しを何点か持っていますが、この菊絵の器はその中でも特に好きな器の一つです。大好きなので多少強引にも使ってしまいます。本来は向附けですが、何にでも使ってしまいます。多少合っていなくてもいいんです。偉大な乾山に甘える気持ちです。kao-a06.gif

仁清(野々村 仁清)、乾山(尾形 乾山)共に、本物の作品は残念ながら写真でしか観たことがないのですが、「写しでこれだと本物を見たら・・・」と考えたら興奮してしまいます。なんとか時間を作って美術館に足を運びたいものです。

「芸術の秋」ですからね。

「食欲の秋」は何とぞ当店にお願い致します。kao07.gifkira01.gif

 

・・・と言うことで、今回は当店のお気に入りの秋の器を紹介させていただきました。

ありがとうございます。